台湾におけるCOVID-19の国内感染が、 スマート医療の新しい推進力に―中 スマート医療の関連応用
發布時間 : 2021-11-02

様々なスマート医療技術の中でも、AIによるコロナ感染判定は、欧米ではすでに有効なコロナ検査法として認められています。急増する検査対象と核酸検査の所要時間の長さから、スクリーニング検査の待ち時間は数日にも及びます。診断結果がすぐに出ないと、アウトブレイク調査の統計に支障をきたしたり、患者の治療が遅れたりする可能性もあります。AI技術でX線/CT画像解析をサポートすることで、医療従事者の人手不足が解消できるだけでなく、肺炎の早期発見かつより正確に診断することも可能になります。コロナの初期症状や発症経過への理解に役立つ胸部画像で臨床の軌跡と重症化の可能性を予測し、事前に適切な治療を施すこともできます。例えば、突然の低酸素症による死亡を減らすために、あらかじめ酸素を供給することです。

最近、英国、米国、日本などでもAI技術によるコロナ検査が誕生しました。例えば、英国の国民保健サービス(NHS)のDX部門であるNHSXは、COVID-19患者の胸部画像データベースを公開しました。英国のスタートアップ企業であるQure.aiも、AIによる胸部画像の解析結果をBolton NHS Foundation Trust病院に導入しました。一方、日本の富士フイルムが開発した「COVID-19肺炎画像解析プログラム」は臨床試験に入り、台湾のAI Labsが開発したコロナ肺炎の画像診断支援システムも、5月27日に台湾の食品薬物管理署(FDA)から医療機器の製造・販売承認を受け、国内初の緊急時用感染拡大対応AI支援システムとなりました。

今回のコロナ禍がもう一つ拍車をかけるスマート医療応用は遠隔医療です。新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年から世界各国は医療産業の規制緩和を始め、市場が活況を呈しました。例えば、遠隔医療の規制緩和が進んでいる米国では、患者はオンラインで医師の診療を受け、処方箋を記入してもらった後、近くの薬局で薬を受け取ることができるようになりました。米国におけるオンライン診療の割合が、2019年の4%から2020年の30%に成長したため、米国の遠隔医療のトップ企業であるTeladoc Health社もこの勢いに乗り、2020年までに全世界でのオンライン診療実績が1000万件を突破し、大幅な収益増を実現しました。また、Teladoc Health社はLivongo社とInTouch Health社の買収により、遠隔医療サービスに糖尿病の生理学的モニタリング、脳卒中ケア、集中治療室、救急部門、トランジショナルケア、外科手術協力などを対象項目追加しました。

台湾の衛生福利部中央健康保健署は、国内の感染拡大を契機に「遠隔通信診療2.0」を開始しました。元々在宅隔離、在宅検疫、自主健康管理中の患者のみが「遠隔通信診療」の対象となるが、今回政府は対象範囲を慢性疾患で病状が安定している方にまで広げました。これから、オンラインによる外来受診の予約、医師との問診・処方箋の記入が可能になります。また、このサービスは、循環器内科、胸部外科、腎臓内科、消化器内科、神経内科、代謝内科、リウマチ科、泌尿器科、精神科、リハビリテーション科、小児科、婦人科など、計13種類の診療科で利用できます。現在、すでに8,000超の医療機関が導入しており、台湾の医療システムにおいて初の大規模遠隔実証試験となっています。(下篇へ続く)

出所:COVID-19本土疫情 形成智慧醫療發展新推力