台湾を無人機の民主主義サプライチェーンにおける
アジア太平洋の中心と目指す
地政学的リスクとグローバルサプライチェーンの再構築が進む中、台湾政府は「無人機(UAV・USV;ドローン)産業発展総合計画」を推進し、「産業発展・国防自立・民主サプライチェーン」の三大目標のもと、台湾をアジア太平洋の無人機サプライチェーンの中心地とすることを目指しています。台湾は日本や欧米など民主的パートナーとの連携を強化し、安全で信頼性の高いサプライチェーンの構築を進めています。
■台湾政府の全面支援:ドローン産業は黄金成長期へ
行政院(台湾の内閣)は「無人機産業推進の4大戦略」を掲げ、以下の取り組みを進めています:
- 市場面: 政府調達を拡大し、内需市場での実証事業を推進。国家開発基金を通じて投資を誘導し、重要部品の現地生産を促進。
- 技術面: 欧米・日本との技術連携を強化し、先端技術開発や実証フィールドでの協力を拡大。
- 環境面: 嘉義県民雄地区に製造拠点を建設し、南部の沙崙地区には無人化テクノロジーラボを設立。研究開発から量産までの一体型エコシステムを形成。
- 法制度面: 無人機・無人船の管理規則を整備し、国際的な認証制度を確立。越境協力の信頼性を確保。
これらの施策により、2029年には台湾の無人載具産業の総生産額が400億台湾ドルを突破する見込みであり、アジア太平洋地域で最も成長が期待される製造・研究拠点の一つとなります。
■台日協力の深化:「信頼できる無人機サプライチェーン」構築へ
2025年6月、台湾卓越無人機海外商機連盟(TEDIBOA)は経済部代表団とともに「Japan Drone 2025」(千葉・幕張メッセ)に出展し、
日本UAS産業振興協議会(JUIDA)との間で無人機産業に関する協力覚書(MOU)を締結しました。
この協力を通じて、台日両国の企業は技術交流からサプライチェーン連携・市場共創へと関係を深化させています。
今後、部品開発、システム統合、フライトコントロール、センシング技術、AI応用などの分野でさらなる協業が期待されており、
東南アジア、欧州、米国など第三国市場への共同展開も視野に入れています。
■日本企業への新たな機会:「民主的テクノロジー連盟」の共創へ
日本は精密製造、センサー技術、高信頼システム設計などの分野で優れた強みを持ち、台湾は半導体・ICT・製造統合能力において世界的な競争力を有しています。
両国の連携により、次のような新しいビジネス機会が生まれます:
- サプライチェーン統合プラットフォームの構築:
日本企業は台湾の製造・試験エコシステムにパートナーとして参加し、コスト削減と安全な供給を両立できます。
- 共同研究開発・実証拠点の活用:
台湾の柔軟な法制度と多様な試験環境を活かし、技術実証と市場投入をスピーディーに実現。
- 第三国市場への共同展開:
「台日連携ブランド」として東南アジア・欧州・米国市場に進出し、民主サプライチェーンの新たなモデルを創出。
台湾は日本の無人機メーカー、部品供給企業、ソフトウェア開発企業、投資機関の皆様に対し、この新たな成長市場への参入を心より歓迎します。
信頼・安全・イノベーションを共通の価値とし、台日が共にアジア太平洋の無人機産業の中核を担っていくことを期待しています。
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